落語はビジネスにも役立つ!「笑う力」を身につけたい

アマチュア落語家・おさむ家太助が、落語の魅力を考えます。

行徳落語名人会:林家彦いち、立川談笑、古今亭菊之丞、春風亭一之輔

f:id:osamuya-tasuke:20180313171110j:plain

 

こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年3月9日、行徳落語名人会に足を運びました。出演は、林家彦いち立川談笑古今亭菊之丞春風亭一之輔に加え、紙切り林家二楽。はっきり言って、すごい豪華メンバーで、落語会を2回くらい開催できそうな陣容です。サブタイトルには「落語新時代」と書かれています。期待に胸をふくらませ、行徳文化ホールI&Iに向かいました。

 

行徳文化ホールI&Iは、東西線行徳駅から徒歩10分程度のところにある、とてもオシャレな市民ホールです。2階席もあり、639名収容できるそうです。客席は列ごとに段差がつけられ、席も前列とずらしてあるので、抜群の見やすさです。前に背の高い人がいて舞台がよく見えず、楽しめなかった経験も多いので、このようなホールはうれしい限りです。

 

地元出身の菊之丞が、地元ネタで笑いをとる

 

前座の開口一番のあと登場したのは春風亭一之輔師匠。千葉県出身の一之輔師匠は、地元ネタのマクラで笑わせてから、演目は「長屋の花見」。お花見のシーズンによく演じられる、とてもポピュラーな噺です。大家に集められた長屋の住民たち。店賃(たなちん:家賃のこと)の催促だろうと思ったら、なんと大家から花見の誘い。酒やつまみ(卵焼きやかまぼこ)も用意したというから、一同、大喜び。しかしよく聞いてみれば、酒はお茶を薄めたもの、つまみは漬物。たくあんを卵焼きに、大根をかまぼこに見立ててくれという。意気消沈した一同が、しらけたムードで花見を始め、しぶしぶとお茶を飲み、漬物をかじる……。一之輔師匠の少しぶっきらぼうな口調が、がっかりしてやる気をなくした長屋の住民たちの雰囲気にピタリと合います。

 

マクラで「本日はこれが四席目」と語っていました。落語を演じるようになって分かったのですが、落語を一席話すと、かなり疲れます。一之輔師匠は人気者で引っ張りだこなのでしょうが、どうぞ、お体をご自愛ください。

 

続いては古今亭菊之丞師匠が、紫の着物で登場します。行徳周辺で暮らしたことのある菊之丞師は、ローカルネタで場内をわかせて、演目は「たいこ腹」。暇で仕方ない若旦那が、鍼(はり)治療を始めてみようと思いつく。道具を揃え、壁や猫に鍼をうってみるのだがおもしろくない。「やはり人間に打たなければ」と呼び出したのが、たいこ持ちの一八。嫌がる一八に、褒美の金をちらつかせながら、いい加減な鍼治療を始める。菊之丞師匠は、落語に出てくる若旦那のような顔立ち。若旦那と一八の「いい加減さのぶつかり合い」を上手に演じていました。

 

後半は、談笑、二楽、彦いち師匠で、場内は爆笑の渦に

 

仲入り(途中休憩)をはさんで、三席目は立川談笑師匠。今回の落語会が「落語新時代」と銘打たれているのは、落語協会のメンバー3名に、立川流の談笑師が入っているからでしょうか。談笑師匠は、体格がよく、袴も着けているので、高座に上がるとかなりの迫力があります。その魅力は、インテリジェンスを感じさせるマクラと、古典落語の大胆な改変でしょう。談笑師のネタは「金明竹(きんめいちく)」。骨董商のオジさんのところで、やっかいになっている与太郎。店番をしていると、上方の人間がやってきてオジさんへの言づてを頼まれるのだが、早口の上方語で、何を言っているのかわからない……。この噺は、上方語のスピードの速い言い立てがおもしろいのですが、談笑師はこれを田舎訛りに変えて演じました。これが実におもしろい。場内は大爆笑でした。

 

続いて林家二楽師匠。紙切りとは、その名の通り、紙をハサミで切り、形を作る伝統芸能です。ハサミを使って、さまざまな情景や動物などを見事に、作り上げていきます。紙切りは、切っている間を持たせるために、ずっと喋り続けています。つまり、紙切りの芸+話芸が必要なのです。今回は、観客から紙切りの「お題」をリクエストしたところ、「行徳の常夜灯」というのが出されました。見たこともない二楽師匠が、客の説明をもとに想像で切り抜いていきます。文句を言いながら悪戦苦闘する様子に、客は大喜び。しかし、実に見事な常夜灯ができ上りました。

 

トリは、林家彦いち師匠。しかし、登場したときはすでに午後8時45分。「9時から、(セットの)バラシが始まるんです」と言いながら、テンポよく、マクラから本編に入っていきます。彦いち師匠のネタは「熱血怪談部」。高校の怪談サークルの顧問になった熱血教師が、体育会系のノリで生徒たちに指導するという新作落語です。実際に空手や柔道の武道経験者で、アウトドア派の彦いち師匠。キビキビとした、メリハリのある芸で、場内をわかせます。彦いち師匠が作る落語は、落ちに独特のひねりがあり、笑ったあとに余韻が残ります。今回も大笑いさせて、スッと震えがくるような見事な落とし方でした。

 

f:id:osamuya-tasuke:20180313171755j:plain

 

今回の落語会は、実に豪勢なものでした。少し詰め込み過ぎの感もありましたが、主催者の意気込みが伝わってくる豪華な落語会で、大いに楽しませていただきました。

 

そういえば、誰かがマクラで言ってましたが、「行徳文化ホールI&I」のアイ・アンド・アイって、なんの略なのでしょうか? ご存じの方がいたら教えてくださいな。

 

関連記事

osamuya-tasuke.hatenablog.com