落語はビジネスにも役立つ!「笑う力」を身につけたい

アマチュア落語家・おさむ家太助が、落語の魅力を考えます。

落語の登場人物:泥棒 落語に出てくる泥棒は、ちょっとマヌケで憎めない

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こんにちは、アマチュア落語家の太助です。落語によく出てくる登場人物は、大体決まっています。長屋の八っつぁん、熊さん、ご隠居さん、おかみさんと子供(金ぼう、亀という名が多い)、商家の大旦那、若旦那、番頭さん。廓噺(くるわばなし)の女郎や幇間。今回は、泥棒を取り上げます。

 

泥棒噺というジャンルが存在するほど、泥棒の登場する落語はたくさんあります。これは「お客の懐(ふところ)を取り込もう」という願いが込められているそうで、泥棒噺は縁起のいい噺とされています。

 

落語に出てくる泥棒はマヌケで、ドジをふんでばかりいます。しかし、どこか愛嬌があり、憎めない連中ばかり。代表的な泥棒噺を紹介しましょう。

 

締め込み

 

戸締りのしていない家に忍び込んだ泥棒。衣類などを風呂敷に包んで逃げ出そうとしたところで、表に足音がする。裏から逃げようと考えたが、家の裏は行き止まり。仕方がないので、台所の揚げ板を上げて、縁の下に逃げ込んだ。戻ってきたのは、その家の亭主。大きな風呂敷包みに気づき、中を見ると自分や女房の衣類が。亭主は、女房がほかの男と駆け落ちするつもりだと考える。そこへ女房が銭湯から帰ってきて、二人は大げんかになる。見るに見かねた泥棒が、縁の下から飛び出して、仲裁に入るのだが……。泥棒と夫婦のやり取りがおもしろい泥棒噺の傑作。

 

三代目・古今亭志ん朝

 

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夏どろ

 

夏の蒸し暑い日。戸締りがしていない長屋の一軒に忍び込んだ泥棒。土間から座敷上がるが、畳がない。畳がないだけでなく、なんと床板さえ何枚かなくなっている。真っ暗な家の中をキョロキョロしている泥棒に、「おい!」と声がかかる。この家の住人が、裸でうずくまっていたのだ。泥棒が小刀を抜いて脅すが、男はまったく動じない。男は、自分は腕のいい職人だが、博打ですって、道具箱から衣類まで質に入れてしまい働けないという。「いっそのこと殺してくれ!」と大声を出す男。慌てた泥棒は、質から道具箱を出すための金を男に渡す。しかし、男は何も食べてないし、着物もないから、道具箱を質から出しても働けないという。仕方なく、泥棒は自分の金をそっくり男にくれてやるはめに……。

 

碁どろ

 

碁が大好きな二人の旦那。毎晩、ヘボな碁を夢中になって打っている。碁を打ちだすと夢中になってしまい、二人とも周囲にはまったく目がいかなくなる。そこへ忍び込んできたのが、碁が大好きな泥棒。ひと仕事済ませて出ていこうとするが、碁石を打つ音を聞いて我慢ができなくなり、観戦を始める。そのうちに観戦では物足りなくなり、あれこれと口を出したり、感想を述べ始める……。三代目・柳家小さんが得意としたネタで、碁が好きでたまらない人たちの様子を見事に演じました。

 

三代目・柳家小さん

 

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だくだく

 

金のない男が長屋に引っ越してくる。しかし家財道具が何ひとつないので、知り合いの先生に頼んで、壁に絵を描いてもらうことにした。タンスや床の間、金庫、ラジオ、うたた寝する猫、なげしには槍まで描いてもらう。日が暮れて男がウトウトしていると、近眼の泥棒が忍び込んでくる。タンスからは高価そうな着物、金庫からは札束が見えているので、いただこうとするのだが手に引っかからない。そこで初めて、部屋中のものがすべて絵であることに気づく。しかし、せっかく忍び込んで、手ぶらで帰るのが悔しい泥棒は、盗んだふりを始める。部屋の主がその様子に気づき、泥棒と戦うふりを始める……。

 

十代目・桂文治

 

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いかがですか。落語に出てくる泥棒は、ちょっとマヌケで憎めない連中ばかり。そういえば昔、ドリフターズや映画「男はつらいよ」で演じられるコントは、泥棒ネタが多かったなと思い出しました。紹介した噺以外にも、「芋俵」「釜泥」「出来心」「転宅」「へっつい泥棒」「やかん泥」など、泥棒の出てくる落語はたくさんあります。ぜひ、楽しんでください。

 

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