落語はビジネスにも役立つ!「笑う力」を身につけたい

アマチュア落語家・おさむ家太助が、落語の魅力を考えます。

トップマネージャーが「遊びを身につけて、表に出す」とは?

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こんにちは、太助です。今日は、「落語はビジネスに役立つ」というテーマで考えてみたいと思います。

 

私の好きな落語に「百年目」という噺があります。この噺に出てくる「遊びを身につけて、表に出す」というセリフが、私にはとても印象的です。ご紹介したいと思います。

 

1)この落語の主人公は、ある大店の番頭。遊び一つしたことがない堅物で通っていて、店では、奉公人たちを、のべつガミガミと叱っている。ところがこの番頭さん、実は、遊びのほうもかなりの達者。菓子屋に預けた派手な着物に着替えては、芸者のところに入り浸っている。

 

2)ちょうど季節は花見の頃。番頭さん、芸者や幇間を引き連れて、船で花見に繰り出すことになった。すれ違う船から顔を覗かれるとまずいので、暑くても障子を開けずにいた。しかし、向島に着くと、酒が入って大胆になり、扇子を縛り付けて顔を隠し、芸者衆や幇間と大騒ぎを繰り広げる。

 

3)そこへ、番頭の主人である旦那が、馴染みの医者と二人で花見にやってくる。土手の上で、二人はバッタリ鉢合わせ。突然、目の前に現れた主人に、番頭は動転し、「お久しぶりでございます」と言い、逃げるように店に戻ると、そのまま寝込んでしまう。店ではひた隠しにしていた、遊び呆ける姿を見られてしまったのだから、馘首は間違いないだろう。その晩は一睡もできず、翌日、帳場に座っていても生きた心地がしない。

 

4)そこへ旦那のお呼びがかかる。昨日のことを言い訳する番頭に対して、旦那は次のような話しをする。

 

堅すぎれば角が立つ。そこを遊びで丸くする

 

・帳面を調べてみたが、一つも不正はなかった。番頭はすべて自分の金で、あれだけ豪勢に遊んでいる。それは大したものだし、遊びは結構なものだ。

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・しかし、遊びを隠してやることはない。遊んで、その味を自分の身体につけて、表に出してもらいたい。仕事中、堅すぎれば角が立つ。そこを遊びで丸くする。遊びを無駄にしてはいけない。

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・番頭は、店では怖い顔をして、のべつ小言ばかり言っているが、そのうち効果はなくなってくる。小言は言うが、何でもないときにはニコニコしている。言ったあとは気を遣う。そうすると若い者が伸び伸びと働ける。

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・そうなると、お客が入ってきて、「ああ、この店は何か明るくていいな」と感じ、「また来よう」という気になる。これが儲けにつながっていく。

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・逆に始終、ガミガミ言っていると、店員が委縮してしまう。そういうことを客は身体で感じる。「なんかこの店は気分が良くないな」と。これは損につながっていく。

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・番頭の目から見て、大変に評価の低い者でも、長い目で見ていくと役に立ってくる。長い目で見てやり、伸び伸びと育ててやることが大切だ。

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・来年、番頭に暖簾を分けてやるから、それまでに、自分の代わりになる人間を育てなさい。

 

いかがでしょうか? マネジメントのあり方や人材育成の重要さが、分かりやすく伝わってきます。

 

ここで言う「遊び」というのは、女の子のいる店で酒を飲んだり、ゴルフをしたり、だけはないと思います。「様々な見聞を広める」と考えてはどうでしょうか。幅広い見聞を身につけることで、それがゆったりとした気持ちの余裕や、人間としての重みにつながっていくのではないでしょうか。

 

機会があったら、「百年目」を、ぜひ視聴してみてください。

 

志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを ち「百年目」

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