落語はビジネスにも役立つ!「笑う力」を身につけたい

アマチュア落語家・太助が、落語の魅力を考えます。

落語で「笑わせる力」を身につける。笑わせる人の4つの特徴とは!? (1)

f:id:osamuya-tasuke:20170821231816j:plain

 

笑ってもらえるとビジネスシーンは劇的に変わる

 

こんにちは。アマチュア落語家の太助です。この連載のタイトルは、『落語はビジネスにも役立つ「笑う力」を身につけたい』です。

 

営業やプレゼンテーションなど、様々なビジネスのシーンにおいて、「相手に笑ってもらう」ことは、とても重要な意味を持ちます。

 

営業の下手な人は、自分の会社の商品やサービスのことばかり話しがちです。いかに優れているかを延々と語ります。営業の上手な人は、相手の話しを引き出せる人です。お客様の本当に悩んでいること、困っていることを聞き出すことができる人です。

 

さらにハイレベルな人は、そのコミュニケーションの中に、「笑い」を混ぜることができます。「笑い」が起こることによって、場がなごみ、話しが弾むことは、皆さんご存知だと思います。

 

これはプレゼンテーションでも同じです。優れたプレゼンテーターは、必ずジョークを上手に織り込み、笑いを取り、雰囲気を盛り上げていきます。

 

しかし、「笑ってもらう」とひと口に言っても、簡単ではありませんよね。そこで、落語家さんの「笑わせる」テクニックを少し考えてみたいと思います。

 

優れた落語家は、「マクラ」が面白い!

 

落語は、一般的にマクラと本編で構成されます。マクラとは、本編に入る前の小噺です。通常、本編のテーマに関係ある話題が語られます。例えば、「替り目」など酔っ払いが主人公の噺であれば、酒にまつわる体験談、見聞したこと、最近のニュース(酒税が上がった等)などで小噺にします。

 

いきなり本題に入るのではなく、関連する話題で、これから始める落語への興味を持ってもらうのですね。また、現代とは風俗が違うため、理解できない習慣や言葉などを、マクラで簡単に説明する場合もあります。

 

優れた落語家さんは、このマクラがとても面白いのです。マクラで笑いを起こすことを「温める」などと言いますが、最初に観客が少しでも笑ってくれると、本編ではよりスムーズに笑いが生まれます。柳家小三治師匠のマクラの面白さは有名で、マクラだけを集めた書籍やCDも発売されているほどです。

 

マクラの面白い落語家の4つの特徴は!?

 

マクラの面白い落語家さんの特徴は、何と言っても、好奇心旺盛なことです。色々なことを積極的に見聞し、情報収集しています。柳家小三治師匠は、この典型と言えるでしょう。

 

二つ目の特徴は、趣味を含めて、何か強いこだわりのあるものを持っています。柳家喬太郎師匠の「ウルトラマン」や春風亭昇太師匠の「城巡り」など、ファンの間では有名です。

 

三つ目の特徴としては、観察眼に優れていることが挙げられます。例えば、訪れた街の様子や暮らし向きなど、とても細かく観察しています。ある落語会で、春風亭一之輔師匠が、駅から会場の途中にある24時間営業のジーンズショップについて「24時間営業する必要ってあるんですかね?」と、ボソッと話したところ大受けでした。

 

私も含めて多くの人が、同じような疑問を、ボンヤリと感じていたのだと思います。観察眼に優れている人は、「何でだろう?」という疑問を抱くことを習慣化しています。この観察眼によって、普通、見過ごしてしまうことにも面白さを発見できるのだと思います。

 

特徴として最後に挙げたいのは、どんなことでも、「笑い話」に変える力を持っていることです。落語家さんの周りにだけ、面白いことがたくさん起きるわけではありません。失敗や嫌なこと、頭にくることもたくさんあるはずです。そういうことも含めて、笑いに変えてしまおうと、日々、努力されているのではないでしょうか。

 

好奇心や観察眼などは、自分の努力や心がけ次第で身につけていけそうです。そして、嫌なことも笑い話に変える力が備わったら、とても生き方がラクになると思います。

 

太助も「笑わせる力」は、まだまだですが、日々、精進したいと思っています!

 

柳家小三治トークショー 3 ~玉子かけ御飯

ソニー・ミュージックレコーズ

f:id:osamuya-tasuke:20170821231845j:plain