深川江戸資料館:落語の風景を実感したいなら、ぜひ訪れたい!
こんにちは、アマチュア落語家の太助です。落語を聴いていると、長屋や宿屋、廓など、いろいろな場所が登場します。しかし自分の想像力だけでは、リアルに情景が浮かばないこともあります。そこでお勧めしたいのが「深川江戸資料館」です。
都営大江戸線の清澄白河駅より、歩いて5分。江東区深川江戸資料館の魅力は、何といっても江戸時代末(天保年間)の深川の町並みを実物大で再現していることです。
地下1階から地上2階までの空間に作られた町並みには、表通りには大店(肥料問屋)や白壁の土蔵、船宿が並んでいます。通りに沿って猪牙舟の浮かぶ掘割も作られています。
深川の大店といえば、木場材木問屋、米問屋、そして干鰯・魚〆粕(しめかす)・魚油を扱う問屋でした。佐賀町は隅田川河口にあって大船の出入りに便が良く、小名木川の水運もありこうした大店と倉庫が並ぶ町でした。
(深川江戸資料館ホームページより)
船宿は、もとは船で遊びに行く客を送り迎えするところで、落語「船徳」などにも登場しますね。通りには八百屋やつき米屋も並んでいます。
船宿の帳場。大福帳やそろばんも触ることが可能
表通りを抜けて火の見櫓のある広場に出ると、よしず張りの水茶屋や天麩羅の床店、二八そばの屋台などがあります。「時そば」などの落語が頭に浮かびます。八百屋とつき米屋の間の長屋木戸をくぐると、路地をはさんで長屋が軒を連ねています。
この資料館の魅力は何と言っても、店や長屋に実際に上がって生活用具などに触れられることです。長屋や船宿にあがってみると、その狭さや天井の低さに驚きます。長屋は本当に必要最低限の生活空間だったのだな、と実感できます。
展示は、そこに住む人々の家族構成や職業、年齢まで細かく設定され、それぞれの暮らしぶりにあった生活用品が展示されているそうです。例えば長屋の1つは、木場の木挽職人の家という設定。木場で働く職人なので大鋸や鳶口、大工道具が置かれてて、箱膳や女房の化粧道具も置かれています。水瓶(みずがめ)やかまどなどの大きさもリアルに知ることができます。
木挽職人の家。正面にかけられた大鋸が目を引く
また、一日の移り変わりが音響・照明などで情景演出されるのも面白い趣向です。時刻によって変わる町の風景を楽しむことができます。
深川江戸資料館には、この江戸の町を再現した常設展示に加え、小劇場とレクレーションホールも備わっていて、落語を含め様々な催し物を定期的に開催しています。
落語好きの方は、ぜひ一度、足を運んでみてください。落語の世界の想像力が広がるはずです。清澄庭園と組み合わせれば、のんびりとした散歩も楽しめますよ。
江東区深川江戸資料館
住所:江東区白河1-3-28 アクセス
TEL:03-3630-8625
展示室観覧料:400円(大人)
開館時間 展示室 9:30~17:00(入館は16:30まで)
小劇場・レクホール 9:00~22:00
休館日:第2・4月曜日(ただし祝日の場合は開館)