落語はビジネスにも役立つ!「笑う力」を身につけたい

アマチュア落語家・おさむ家太助が、落語の魅力を考えます。

浅草演芸ホール余一会:喬太郎、彦いち、白鳥、みんな適当に乗りまくる!

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こんにちは、アマチュア落語家の太助です。2018年3月31日(土)、浅草演芸ホールの余一会「満開!若手落語会」に足を運びました。

 

寄席では、ひと月を3期に分けてプログラムが組まれています。1日から10日が上席(かみせき)、11日から20日が中席(なかせき)、21日から30日が下席(しもせき)と呼ばれます。プログラムは、上席を落語協会、中席を落語芸術協会というように、この2つの団体が交互に出演するという構成がほとんどです(上野鈴本演芸場落語協会のみ)。

 

しかし、31日のある月は、その日だけの特別興行が行われるのです。これが余一会(よいちかい)です。独演会や二人会なども多いのですが、大変におもしろい興行に出合えることがあります。浅草演芸ホールがこの時期、開催する「満開!若手落語会」も、その1つです。

 

前売り券を購入し、さらに整理券を入手する

 

出演者は、ハッキリ言って若手ではありません(高座でもみなさん、同じことを言っていました)。しかし間違いなく、現在の一線級が勢ぞろいする興行です。毎回、立ち見が出るほどの人気落語会なので、今年は前売券を買うことにしました。

 

寄席は通常、当日券のみで自由席ですが、余一会など特別興行の場合は、前売券が販売されることもあります。この「満開!若手落語会」も前売券が発売され、当日、整理券が配布されて、その順番で入場します。当日券もありますが、入場は、前売券の客のあとになります。

 

前日に前売券を購入。当日は9:00より整理券配布とのことなので、10:00には窓口に駆けつけました。しかし、整理券番号は60番! 「みんな、早くから来ているな~。千葉県民にはちょっと大変だよな」と思いつつ、開場の17:00を待ちます。開場15分前から整理券順に並ぶのですが、予想通り大変な混雑です。2日間で3回、足を運んだ努力のかいあって、なんとか前方の良い席に座ることができました。

 

この日のメンバーと演目です。

 

春風亭ぴっかり☆ 「表彰状」

三遊亭天どん 「反対車」

入船亭扇辰 「一眼国(いちがんこく)」

翁家社中太神楽

林家彦いち 「つばさ」

 

仲入り

 

三遊亭白鳥 「人間椅子

柳家三三 「加賀の千代」

林家二楽紙切り

柳家喬太郎 「極道のつる」

 

今年は春風亭一之輔師匠が出演せず、天どん師匠が入りましたが、「笑いを取ろう」という気合はすごいものがありました。人力車が盛んな時代、おかしな車夫が登場する噺「反対車」で、この日の登場する演者を車でひきまくり、大受けしていました。

 

次に登場した扇辰師は、場の雰囲気を落ち着かせるかのように抑えた声で「一眼国」を聴かせます。

 

仲入り前は、林家彦いち師匠で創作落語の「つばさ」。現在の世界のすぐ隣にパラレルワールドがあり、そこでは全員がつばさを持っている。師匠も、その世界では、空を飛んで寄席の移動をしているという噺。彦いち師匠の創作落語には、「私」視点で、少し不思議な世界に入り込むというものがあります。夏目漱石の「夢十夜」を思い出させるような奇妙な味わいの作品です。その発想力、筋立て、オチの付け方、観客の盛り上げ方など、いつもながらにすばらしい高座でした。

 

演者も観客も肩の力が抜けた心地よい空間

 

仲入りの休憩後は、三遊亭白鳥師匠が登場。演目は、江戸川乱歩の同名小説からイメージして創作した「人間椅子」。マクラでクイズも出されて、観客はおおいに盛り上ります。要所要所で、ギャグや客いじりを入れて、観客をわかせます。

 

さて、太助お待ちかね柳家三三師匠の登場です。なんと、マクラを一切話さずに「加賀の千代」に入ります。大みそかに、ご隠居さんに借金に行く長屋の甚兵衛さん。女房にせっつかれ、手土産まで持たされて、いやいや足を運ぶのだが……。他の演者がマクラで盛り上げ、遊んでいるのをしり目に、あえて古典落語だけで聴かせます。いわゆる差別化ですね。堪能しました。

 

二楽師匠が軽妙なトーク紙切り芸で盛り上げて、トリの柳家喬太郎師匠の登場です。なんとこの日は独演会も含めて、3席目とのこと。「はっきり言って、疲れてるんだよね」と言いながら、高座で寝転がったり、「みんなで飲みに行く?」などと誘ったりします。そのたびに観客は大喜び。この日の演目は「極道のつる」。極道の親分が、与太郎のような子分に落語の「つる」を教える噺。疲れたと言いながら、すごいテンションで演じていました。

 

今年も「満開!若手落語会」は、とても満足できる内容でした。寄席落語の持っている良い意味での「いい加減さ」と、粒ぞろいの演者同士の競争意識が相まって、すばらしい空間ができあがりました。

 

加えて、寄席の良さは、観ながら飲食ができること。太助も日本酒を売店で購入し、一杯やりながら、豪華な顔ぶれの落語を楽しませていただきました。2日間で、3回も浅草演芸ホールに足を運んだだけの価値は十二分にありました。

 

来年もまた見に行きます!

 

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