落語はビジネスにも役立つ!「笑う力」を身につけたい

アマチュア落語家・おさむ家太助が、落語の魅力を考えます。

柳家喬太郎:新作、古典、マクラの3拍子揃ったオールラウンドプレーヤー

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こんにちは、アマチュア落語家の太助です。今回のお勧めの落語家は、柳家喬太郎師匠です。私がいまさら紹介するまでもなく、人気・実力ともに落語界の最高ランクに位置する噺家さんです。

 

新しい時代の名人像を感じさせてくれる落語家

 

喬太郎師匠は、新作落語古典落語を高い水準で演じることができ、マクラの面白さも抜群という、まさに3拍子揃ったオールラウンドプレーヤーです。

 

古典落語が過去から引き継がれた演目であるのに対し、新作落語は落語家自身が創作する落語です(作られた時期で古典、新作と区分する場合もあります。新作は、本人以外が作る場合もあります)。古典落語が役者と演出を一人でこなすものとすれば、新作落語は作・演出・役者を兼ねるようなものです。

 

芝居の世界で、役者さんに台本を書けといっても、ほとんどの方はおそらく書けないでしょう。落語の世界でも同様です。こればかりは得手・不得手、持って生まれたものがあると思います。

 

新作落語古典落語を高い水準で演じることができ、マクラの面白さも抜群というマルチプレーヤーは、喬太郎師の他には、立川志の輔師匠が挙げられます。

 

桂文楽古今亭志ん朝など、これまで名人と呼ばれた落語家は、古典落語の演目を磨き上げることで、高い評価を得ていました。野球でいえば、高打率でホームランもたくさん打つスラッガータイプ。どっしりとしていますが、盗塁するような軽やかさはありません。

 

これに比べて、喬太郎師や志の輔師は、攻・走・守が揃ったイチロータイプのプレーヤーという感じです。

 

この2人を観ていると、新しい時代の名人像を感じさせてくれます。

 

優れた短編小説を読んでいるような新作、幅広いバリエーションの古典

 

喬太郎師の新作落語は、現代社会の生活の一部を上手に切り取り、登場人物たちの心理の揺れなどを丁寧に、面白おかしく描きます。特に、今どきの女の子っぽい口調が上手なので、表現する世界に幅があります。

 

サラリーマンのいやらしいオヤジが出てくるかと思えば(夜の慣用句)、男女の少しせつない別離が描かれたり(ハンバーグができるまで)、笑わせまくって最後にホロリとさせる名作(ハワイの雪)など、その世界は多彩です。ウルトラマンのマニアであることも有名で、ウルトラマンネタも人気があります。

 

古典落語も新作と同比率で演じています。ストーリーに手を加えず、じっくりと聞かせる場合もあれば、色々なギャグを入れて改作してしまう場合もあります。後者の例でいえば、「井戸の茶碗」という古典落語に、昭和の歌謡曲をたくさん入れ、歌いながらストーリー展開する「歌う井戸の茶碗」という作品に仕立てたりします。

 

あまり演じられることのない「擬宝珠」のような珍しい噺を手掛けると思えば、「死神」など少し陰気な噺も演じます。

 

また、喬太郎師のマクラの面白さも特筆に値します。普段よく目にしているのに見過ごしている「そばの上に乗っているコロッケ」などを題材に、爆笑のマクラを展開します。聴衆は、喬太郎師が高座に上がったときには、新作が始まるのか、古典を演じるのか分かりません。「どちらを演るのだろう」と推理する楽しみもあります(マクラの途中で、「このマクラだったら古典はないですよね」などと笑わせたりしますが)。

 

新作から古典まで、本当に幅広く演じ、時には歌い(「東京ホテトル音頭」というCDも出しています)、映画の主演もこなす現代の名手。チケットを取るのは大変ですが、一度は、ぜひ生の高座をご覧ください。

 

少し気になるのは、最近、太り過ぎな気がするのと、喉の調子が悪いのか高座で咳が多いこと。ぜひ、お身体にはお気を付けください。あと、……やっぱり弟子は取らないのかなぁ。喬太郎師の芸は一代限りなのかしら。

 

1998(平成10)年 NHK新人演芸大賞落語部門大賞

2001(平成13)年 彩の国落語大賞

2005(平成17)年 平成16年度 国立演芸場花形演芸会大賞

2006(平成18)年 平成17年度 国立演芸場花形演芸会大賞

2006(平成18)年 平成17年度 芸術選奨文部科学大臣新人賞【大衆芸能部門】

2007(平成19)年 平成18年度 国立演芸場花形演芸会大賞

 

柳家喬太郎 寄席根多独演会 バイオレンスチワワ/反対俥/紙入れ [DVD]

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日本コロムビア

 

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