落語はビジネスにも役立つ!「笑う力」を身につけたい

アマチュア落語家・おさむ家太助が、落語の魅力を考えます。

落語初心者に、寄席をお勧めしない4つの理由

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こんにちは、太助です。落語を実際に見たことがない人から、「何か見たいので教えてほしい」と言われることがあります。これは結構、悩みます。

 

というのは、最初の印象でつまらなく感じると、落語全体が「つまらないもの」に思えてしまうからです。海外旅行も同様ですね。その国で出会った人が親切であれば「なんて親切な国だろう」と思えますし、冷たくされると「あの国は、冷たい国だ」という印象が残ってしまいます。ファーストインプレッションは、やはり重要です。

 

落語初心者の方に寄席に行くことを勧める人がいますが、太助はお勧めしません。今回は、この理由についてお話しします。

 

とても長い上演時間

 

寄席は昼と夜、1日2回上演されます。この各回の上演時間は、4時間から4時間半にもなります。プログラムは落語だけでなく、漫才や紙切りなども入りますが、およそ12人~18人の演者が登場します。とにかく長時間で、たくさんの演者が出てくるのです。

 

寄席は基本的に出入り自由です。いつ入場しても、途中で帰っても構いません(噺の途中で帰るのは失礼ですが)。昼の部が4時間半のプログラムであっても、最初から最後まで聞き続ける必要はないのです。

 

プロの噺であっても、映画と同じで2時間くらいが集中力の限界です。しかし初めての方は、最初から最後まで、一生懸命に聞き続けてしまいます。結果、終演後にとんでもなく疲れてしまうのです。

 

つまらない落語家さんも多い

 

プロでも、失礼ながら、つまらない落語家さんはたくさんいます。寄席は通常、月3回のプログラムが組まれ、興行が行われます。10日間ずつ異なるチームが上演しているのですが、日によっては、メンバーの大半が面白くないときもあります。

 

また、開演して最初の時間帯は、前座や経験の少ない落語家さんが多く登場します。当然、技術レベルも低く、なかなか笑えません。

 

4時間もの長時間、面白くない落語家の噺を延々と聞き続ける、というケースもあるのです。このような席に遭遇してしまうと、「落語って面白くない」と思ってしまうでしょう。

 

落語家の持ち時間が少なく、小噺が多い

 

 

寄席は出演者が多いのが特徴です。これは寄席の数が減ってしまったことにも関係があります(東京には現在、4か所)。落語家の数に比べて、働ける場所が少なすぎるのです。そこで、1人の持ち時間を短くしても、なるべく多くの落語家を高座に上げる傾向があります。

 

このため、1人の落語家の持ち時間は少なく、通常15分程度。興行の最後に出てくる主任(トリとも呼ばれる)で20分程度です。太助も落語を始めて分かったのですが、15分だと長い噺は不可能です。このため、短い小噺(こばなし)が中心になります。小噺は登場人物が少なく、場面転換もあまりない短い落語です。

 

長い噺は、登場人物や場面転換も多く、聞きごたえがあります(落語家の技量が必要ですが)。小噺にもおもしろい落語は多いのですが、そればかりが続くと飽きてしまします。

 

また、落語は、マクラ(導入部の話し)と本編で構成されます。しかし、持ち時間が少ないため、マクラをカットしたり、マクラだけ話して下りてしまう落語家さんもいます。人気者が出てきたと思ったら、楽屋噺を軽くして終わり、というケースもあり、ガッカリします。

 

それほど真剣に聞いていない客も多い

 

ホール落語の場合、観客はお目当ての落語家の噺を聴くために、前売り券を買い、足を運んでいます。観客は、期待を抱き、「楽しもう・笑おう」という姿勢で会場に集まっています。

 

対して寄席の観客は色々です。お目当ての落語家を見に来る人もいますが、暇つぶしに来ている人や観光バスのツアーで来ている人など様々です。

 

寄席はそもそも「落語鑑賞の場」というより、暇つぶしの場所として始まっているので、それで構わないのですが、やはり落語家さんの緊張感や「やる気」には差があると思います。

 

残念ながら明らかに手を抜いている落語家や、寄席ではストーリーが複雑な噺は全くしない落語家さんもいます。

 

まずはホール落語でお気に入りの落語家さんを見つけよう

 

もちろん寄席には、寄席の良さがあります。「落語を聞く!」と身構えず、緊張感のあまりない、ぬるーい空気に浸ることで、のんびりとした時間を過ごすことができます。それは、とても良いストレス解消になるかもしれません。また、数多くの演者が出るので、新たにお気に入りの落語家さんを見つけられる可能性もあります。

 

ただ、落語初心者の場合は、まずホール落語でお気に入りの落語家さんを何人か見つけて、その落語家さんの出る寄席のプログラムに行くかたちで、寄席デビューするのが間違いないと思います。

 

太助も「お勧め落語会」の記事をアップしているので、ぜひ参考にしてくださいね!