夏休みの自由研究・悲しき思い出
こんにちは、太助です。スマホで売買ができるフリマアプリ「メルカリ」で、夏休みの読書感想文が販売されていることがニュースになりました。
覗いてみると、なるほど色々な感想文の原稿が売られています。芥川龍之介「羅生門」「地獄変」、夏目漱石「夢十夜」、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」などなど。価格は500円から1,000円程度で、結構売れているので、やはり需要があるのでしょう。
教師から見ると、他人が書いた感想文は分かるそうです。しかし、夏休みが終わる直前の切羽詰まった状況では、まず宿題を提出することが最優先。買ってしまう子もいるはずです。確かに、芥川龍之介「羅生門」や夏目漱石「夢十夜」などは、読み終えたところで、「だから何?」という感想しか浮かばないかもしれません。
自由研究は、貝がらや昆虫採集などが売られています。それらを見ていて、遠い昔の、夏休みの自由研究の思い出がよみがえってきました。
締めきり数日前に思いついた工作は
小学4年生の夏休み。始業式まで、あと数日しかない状況で、自由研究がまったく手つかずの状態。親と一緒に考え始めたのですが、うまい知恵が浮かびません。
と、テレビで「ゴキブリホイホイ」のCMが流れてきたのです。紙の箱で出来ていて、中の餌でゴキブリをおびき寄せ、入ると出られないというアレです。
それを見て母が言ったのです。「ゴキブリホイホイを作ったらどうかしら。ちょうど透明なアクリルの箱があるし!」
他に良い知恵も浮かばないので、その案に決定。4か所に入口と通路を作り、中央に餌を置く。入口には、内側にしか開かないようにアルミ板を取り付ける。下の図のようなものを作りました(図は、上から見た感じです)。
苦肉の作、自家製ゴキブリホイホイ
父が材料を買ってきて、父が作りました。手先が器用な父は、結構張りきって作り上げ、かなり立派なものができました。私はかたちだけ、入り口用のアルミ板を切りました。さっそくその日の晩、仕掛けてみることに。
適当に作った工作が、悲惨なことに
翌朝のことです。うちが古い家だったせいもあるのでしょう。……採れていたのです。たっぷりと。
その時点で初めて、この自家製ゴキブリホイホイの構造的欠陥が分かりました。ゴキブリが生きていて動きまわっているのです。しかも透明なので、はっきりと見える……。売られているものは、紙製でそのままゴミ箱に捨てられるのですが、うちのは捕獲したゴキブリをどうにかしなければならないのです。
母親は気味悪がって触ろうともしないので、結局、太助が近所の公園に捨てに行くことに。
公園の茂みで、そっと蓋を開けたところ、ゴキブリ達はすごい勢いで逃げ出していきました。私は、あまりの気持ち悪さに、箱を放り出しました。入口に付けたアルミ板が、逆さにすると落ちてしまうことに、その時、気付きましたが、「もう、どうでもいいや」と思いました。
夏休み明けに提出したところ、なぜかクラスで金賞を獲得しました。父が作ったものなので、見た目は立派だったのです。授業参観では、金色の紙が張られ、展示されました。
夏休みの宿題というと、適当に作った工作の数々と、書き散らかした、いい加減な感想文の思い出が、懐かしくもほろ苦く、よみがえってきます。
みなさんは、いかがですか? あの頃、宿題は順調に終えられましたか?